「Jコミは横目で見ていたのだが、爆弾が投げ込まれたねえ」
「これがなぜ、歴史関係の話題に来るんだい?」
「実はこの漫画は意味深なのだ」
「どうして?」
「終戦直後に眠り込んだ少女が現代で目覚める時代ギャップギャグ漫画なのだ」
「真面目な歴史ものなの?」
「そうではない。が、終戦直後の世相を知らないと笑えない漫画でもある。そもそもタイトルのGIVE MEが分からないかもしれないし」
「でもさ。君もその当時は生きてないじゃない」
「実は作者も生きていないのだよ」
「えっ?」
「だからさ。実際には生きていない昔のことを、生々しく体感できる人は確かにいて、そういう人にとって終戦直後は生々しいリアルなんだ」
「君もそうなのかい?」
「台湾から引き揚げてきた親戚とかもいるわけだしな。自分が体験していないだけで、身近にそれに連なるものがゴロゴロしていたわけだ」
「でも、その感覚は浮いてないか?」
「うん。そうだ。やはり古いことに詳しいのは、今の世相では特殊なんだろう。『杉野はいずこ』というギャグをあ~るに書き込むゆうきまさみなども含めてな」